090523 瀬戸内海の文化力



















523日(土)に、「第3回瀬戸内海文化助成」の発表大会と「2010年瀬戸内国際芸術祭と瀬戸内海の文化力」のシンポジウムが高松でありました。
発表大会では、白石島の綿のプロジェクトでお世話になっている天野さんも発表されました。4回の助成対象も決まり、これまでの瀬戸内海文化助成についての概括がありました。最近の傾向としては「島」が増えており、取り組み方としては、地域の記憶を掘り起こし、継承し、それを発信しようという流れにあるようです。
島の特徴として、島は隔離されているため、資本主義の論理からは外れ、あまり手をつけられておらず、いろんな歴史が残っている場所である。これまでは、島外のものを拒んできたけど、これからは島外者(旅行者)の感性に磨かれる必要もあるのでは。その仕組みが必要との指摘がありました。
また、多くの島は「限界集落」となっていて、結局食べていく術がないと人は帰ってこれない。その術は、漁業と農業になるが、金銭的ではない豊かさをもった暮らしが成り立っていて、産業というよりはむしろ「生業(なりわい)」という視点が大事ではないかと。この点で、いままで少なかった衣食住などの「暮らし」もよいテーマになるだろうとのこと。ラサ×白石島のプロジェクトを考える上でとても参考になりました。

続いて、大阪大学総長で哲学者の鷲田清一先生の基調講演。
湊町アンダーグラウンドプロジェクトでのことを題材に、「なぜ、ボランティアがアートに向かったのか。」という話。
プロジェクトの打ち上げの時に、二人の若者(アーティストとボランティアの少女)がこぼした以下の言葉を軸として。

・「ここではアーティストではなく、1人のスタッフでした」
・「正しいということが1人1人違うんですね」

最後に、なぜボランティアがアートに向かったのか。
これについて、3.5個の理由を挙げていました。
1、目標、着地点や意義を設定するという発想を取らない
2、~すべしという強迫がない
3、ポジティブな受け身
0.5の部分、アーティストの感覚の強度に触れて感染したい

最後に、福武總一郎氏、北川フラム氏、樺山先生を含めたシンポジウム。
「文化は男と女を仲良くさせるもの」という仮説のもとに、ベネッセは一貫してやってるんだという話。
理工学部出身とあって、仮説を立て、検証するという思考プロセスを実践してると、福武会長自ら仰ってました。


来年の瀬戸内国際芸術祭では、瀬戸内に大きな関心が向かうでしょう。
その時に、どこまで瀬戸内の地域がやれるか。

白石島も頑張らねば。

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