091004 秋祭り









今日は早く帰るかもしれないと思い、船の本数の多い三洋汽船を利用。
綿摘みをして、祭りを少し見たらシーカヤックでもするかと思ってました。
7時30分に笠岡へ向かったけど、時間で到着。
9時10分の高速船で白石島へ。

島に着くと早速祭りの景色。

すぐに見えたのが築出(つきだし)地区の集まり場。
みゆき食堂のみゆきさんや天野さんの奥さんがおられ、早速法被を渡され祭りに参加です。
山車を一緒に引っ張りました。
この時点で、来る前に思い描いていた展開から大きく外れていきます。
いい意味で。


開龍寺の四社神社まで地区ごとに山車を引っ張っていきます。
築出のは爆音でした。普通に考えれば迷惑なくらいの音量です。。

島の方で祭りに参加できないような人でも、みんな辻には出てたり、縁側に座って、山車が行くのを見守っています。そうやって祭りに参加するのです。
そうして、出会う人たちに手を振り、「おめでとう」と皆が言います。

1年経ち、この日を迎えることができたことへの思い、ということなのでしょう。
印象的な光景でした。









島全体に、左の写真のような竹と提灯の飾り付けがなされてました。これはすごいです。
祭りの2週間前から島の方みんなで準備をするそうです。昔は祭りの1ヶ月前になると、前哨戦とばかりに地区ごとに祭りモードに入っていたようです。
この秋祭りは、島1番の行事であり、最も参加率が高いらしく、聞くところによると、島の7割の人が出てるだろうとのこと。
これまでみたこともない数の人が四社神社に集まりました。









右が四社神社。老朽化が進み、昭和51年に改築されたようです。
ブルーシートによる青がきれいでした。









男の子と女の子。下は保育園から上は小学高学年まで。子供たちがこのお祭りの主役です。
汚れなきものである子供にしか、この神事へは参加できないのだと、教えていただきました。
かつては、これに選ばれるために親同士が競い合うという状況だったようですが、最近ではお願いをしてやってもらうというように状況は逆転。
時代は変わったようです。
男の子が2人でやってますが、普通は4人でやるそうです。













いつも通りに綿チームのえっちゃん、きみちゃん、ひろちゃん、そして正さんにお会いしました。
虎の法被はひろちゃんです。話もそこそこに、ひろちゃんは急いでどこかへ向かっていきました。どうやら踊りがあったようで。
秋祭りのメインは子供たちがやってますが、大人たちもこんな風に踊って楽しんでいます。










マイクを持ってるおじさんは、今日という日が最高に楽しいはず。そんな生き生きとした声でした。

空にまつりあがる。









浜辺でも舞は行われました。この頃になると、たいていの方は御神酒でやられてます。舞もあまり見てません。島はそれでよさそうです。

最後は築出地区の宴。手前で歌うのが噂のみゆきさん。
みゆきさんは話がとても上手で、盛り上げ役で、この集まりでも人気者だということがわかりました。
いつも昔の暮しについていろいろと教えてくれてて、すごい記憶力だなーと思ってましたが、実はというか、本当にすごい方なのでした。

今回は築出地区で参加しました。島には全部で8地区くらいあるそうです。
各地区に1つ山車があります。このような祭りのスタイルになったのは、四社神社が改築された昭和50年代から。
それまでは子供たちの舞だけだったようです。
山車を導入したのは、島のみんなで祭りを楽しむだけかもしれないなと感じました。
それもありです。
地区の人が年に1度こうして集い、1本の綱を持ち、一緒に島を歩き、宴をする。
これでうまく成り立っているようです。
山車がなかったら、ただ歩くだけかもしれません。
そう思うと、山車はあってよかったなと思えてしまいます。
これは現代的な感覚なのかもしれませんが。
山車というツールによって、コミュニケーションが促進されたり暗黙知のような共同体意識が高まるのであれば、それを道具に頼ってもいいのでは、と。

猿田彦の舞を見ていて感じた疑問。
大人は何を思いながらその舞を見ているのか。そもそもなぜ祭りに参加するのか。
それが気になり、きみちゃんに話をすると、白石踊りで一番偉いポストについてる79歳の方がそばにおられたので紹介してくれました。
その方が言うには、祭りは神事でありその場に居合わすことができるだけでありがたいということでした。
これには目から鱗。
そりゃ、お賽銭をして拝めばご利益があるかもしれない。でもそうじゃなさそうな。
自分が得をするとか、そういうことじゃない。

道すがら聞こえた「ありがとう」と、猿田彦の舞の最中に聞いた「ありがたい」。

誰もがそのような思いばかりでないことは明らかですが、こんな思いの人がいるのだということがわかったこと。

カメラに詳しい石屋さん。
某大手企業の顧問。
保育士さんや市議会議員とおぼしき方。
島に住む人、島を出てこの日のために戻って来られた方と話をすることができました。

まったくこんな展開になるなんて思ってもみなかった1日。

2 件のコメント:

とらさん さんのコメント...

秋祭りのリポート、ありがとうございました。
秋晴れだったんですねー、良かった!

静かな島だと思ってたけど白石島にはこんなに人がいるんですね、本来は。

それにしても、人々が「おめでとう」と声を掛け合うなんて、素敵。いいなあ、そういうのって。

島の人にとっては当たり前のことなんでしょうけど、すごく新鮮です。

それに「ありがとう」の言葉も。
お祭りを迎えることのできた喜びと感謝の気持ち、なのね。。。

なんかシアワセだわー。
それが島のすべてではないにしても、そういう気持ちって残って欲しいですよね、ずっと。

幸せのおすそ分けをありがとう。

かねだ さんのコメント...

いつもコメントありがとうございます。
なのに、ちょいと遅れてしまいました。。

昔は島での暮しの楽しみは祭り事だったのでしょうね。
いつもいつも感じるのですが、やっぱりその場へ行ってみないと何もわからないということ、それを思わされます。現場はあまり好きではありませんが、こうなってくると現場へ足を運ばないという選択肢はなくなっちゃいます。

白石島のお祭りがどんなだったかは言葉で説明できても、その場の雰囲気や何気ない言葉に込められた思いや意味というのは、簡単に伝わるものではありませんよね。。
でも、「ありがとう」や「おめでとう」という言葉は、その言葉自体に強い力がある。
言葉の両面を垣間見させてくれたのかなー。
そんな気持ちです。
昨日も島へ行ってきたので、またレポートしますね。