110131 H23、何をするか。

福武教育文化振興財団のH23助成金申請書の一部を掲載します。
なかなか語ることのできない、白石島で何をしようとしているのかを、何とか言葉にしてみようとしたものです。

○期待する効果・成果
2009年4月から白石島に通い始め、「農薬を使わない綿づくりと手織りによる布づくり」を白石公民館の手織り教室の皆さん と行い、白石踊など島の伝統を大切にする島民の姿に触れながら関わった。そして綿づくりと人間関係が生まれる様子を綴った20ページの冊子を作った。
2010 年は継続した綿作りに加え、山歩きやシーカヤックなど島のその他の魅力的なものを取り入れたツアーの実施とそのドキュメント映像作りを行っている。
タ ブララサが白石島へ関わる理由は、島を訪れた人が島の人や暮らし、空気を体感することで、訪れた人のライフスタイルを顧みるきっかけになるものが白石島に は数多くあると考えるからである。白石島への「人の流れ」をデザインし、島を知り、考え、島に触れる人を増やすためのきっかけ作りを続けることで、白石島 とそこを訪れた人との双方の生活にゆっくりとした変化をもたらすことができると考える。


○どう関わるか
これまで2年間白 石島に通い、40回以上島に渡った。白石公民館の手織り教室の人たちとの関係が生まれた。種まきなど綿づくりの作業を手伝うことや、糸紡ぎ、手織りなどを 教えてもらうことを通じて、島に少ない若者との交流の機会が生まれた。白石島の人たちとこうした関係ができたのは、白石踊や秋祭りなど、島の人が大切にし ている四季の行事にも訪れたことが重要だったと考える。

○1年目のこと
1 年目は1.手織り教室の人たち、2.タブララサ、3.一緒に島を訪れた人たち、という三者が関わった。その中で、綿が種から布になるまでと、タブララサと 手織り教室の人たちの関係性の変化を綴った白石島の冊子を作ったこと、それから東京や大阪などから30人以上が集まって合宿をしたこと、それがツアーへと 発展したことなど、島おこしの“きっかけ”をつくる方向性を見いだせた。

○2年目のこと
2年目を迎えると、4.白石島のその他の 人たち、例えば桑に取り組んでいる人や民宿の人、それから5.白石島に外から関わる他の人たちにも知られ、タブララサという島の外からやってきた団体が島 に関係する人たちに認知されだした。また、タブララサを通じたテレビ取材もあり、より一層知られるようになってきた。

○変化
その 中で起こった最も大きな変化は、白石島が大切に守り続けている白石踊とのコラボレーションの話を島の人たちからもらったことである。島では年に2回白石踊 が行われる。1度目は7月下旬の環境客向けの白石踊ツアーであり、2度目は8月のお盆に行うものである。いずれも多くの人々が踊を見に島を訪れるが、その 際に船が着く港から踊が行われる浜辺までの道が暗くて困っていたという。そこで、その道をタブララサがコーディネートし、キャンドルで照らしてもらえば、 島でキャンドルというのを目当てにでも来てくる人が増えるだろうという提案であった。

○タブララサ的
このように、島にとって必要 とされる形で島との新たな関わりが生まれるというのは、タブララサの目指す形である。それに加え、その日に灯すキャンドルはすべてリサイクルによるもの で、しかも島の人たちと一緒に作ることで、その土地とつながったイベントになるだろう。

○島に来てもらう
ツアーに行ったある日、 手織り教室のある方がこんなことを話された。

「私たちはお金と長い時間をかけて白石に来てくださる方たちのために何ができるかを考えた い」

オーガニックで作っている綿を活かし、新しい製品を作ってそれを売るということを考える前に、いまやっているものの価値をきちんと見 て、知ってもらうことをやってみませんか、という話に、島の人たちも耳を傾けてくれた。

○島を知り、考え、そして訪れる
一緒に島 を訪れ畑仕事などの作業を通じた島の人との交流と島の季節を楽しむツアーのような形態を考えるその以前に、まずは島を知ってもらうことが大切だ。ツアーを 通じて島で1日過ごすと、多くの人が自分なりに何かに気付き帰っていく。そのツアーの度に、島には私たちの「生活」を振り返る気づきがたくさんあることを 教えられる。そのためにも、島に行く以前の部分をどう見せるか、知ってもらうかが重要で、それはタブララサの役割だと考える。
そこで、島に関心を 持ってもらうためのきっかけづくりとして、島の生活や人をテーマとした本と映像を作っていきたい。そして、本や映像作り自体も様々な参加者を集い、島の人 たちと共に島を舞台にした活動を行っていく。


○添付資料

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